なりわい創造塾講座レポート
(第4回2011/9/3-4) 今回のなりわい創造塾はズバリ、「地元学」の回でした。土日2日間をめいっぱい「地元学」の学習と実践に使い、とても密度の高い充実した講座だったと思います。
1日目は、もうお馴染みになってきた武蔵嵐山の国立女性教育会館・研修室で地元学を実践していらっしゃる講師の竹田純一さんから、地元学とは何なのか、どうやって行われるのか、その活用方法等について講義をしていただきました。
地元学は、足下から、その地域の土から、そこで昔から行われていた暮らし、自然利用のあり方を学び、それを受け継いで、生かして将来に繋げていくにはどうしたらいいかを探る事なのだということ。そして、それを中心になって行うのは地元の人で、私たち「ヨソ者」はあくまで、その人たちから学び、その人たちが当たり前のことと思って見過ごしている地域にある資源を見つけていく手助けをするに過ぎないということ。すなわち、地元学とは、地元のこれからにとって良いことの手助けをすることなのだというお話が印象に残りました。
さらに、実際に地域の人と地元を歩くにあたっての具体的な注意事項、地元の人から話を引き出すための質問のコツなどについて説明を受け、それぞれで質問を考え午後からの地元学フィールドワークに向けた準備をしました。
その後、昼食を済ませて、いよいよ地元学フィールドワークへ出発です。
まずは、実践の前に竹田先生による地元学集団研修ということで、これまで何度もお世話になっている有井農円の有井さんが小川町で農業を始めるにあたって地元の方から借り受けた古いお宅にお邪魔して、そこを舞台に竹田先生が地元学のお手本を見せてくださいました。そのお手本は、本当に見事としか言いようのないもので、有井さんのお家の作りや、有井さんに家を融通してくれた本家の家との位置関係、有井さんへの質問などから、次々とその家での暮らしの様子や、分家である現有井さん宅と本家との関係などについて、瞬時に読み取り、話してくださいました。その手際の鮮やかさに圧倒され、自分たちが果たしてこの後、同じように地元学ができるのかと少し心配にもなりました。
しかし、そんな心配を抱きながらも、ついに本番の地元学開始です。今回のフィールドワークは、いくつかのグループに分かれて、それぞれが違う地域へ行き、一グループにつきお一人地元の方がついて、一緒に地域を回ってくださるという形で、私がいたグループは飯田地区へ行き、根岸さんと一緒に地域を歩いて回りました。歩いたのは、まず、平地で休耕地となってしまっている田畑がたくさん見られる地帯を歩き、その後山の上にある神社まで行き、さらに進んでその地域の水源を見て引き返すというコースでした。
ですが、肝心の地元学の方は、やはりうまくやるのは難しかったです。講義で受けた説明を理解して、質問の準備等もしっかりとしていったつもりが、いざ本番になると何を質問したらいいかわからなくなったり、地元のどの部分に注目すればいいか見当もつかなかったりと大変でした。
しかし、運がいいことに、私たちと一緒に歩いてくださった根岸さんはもともと、農協に勤めて、自分たちの地元を、農業を元気にするにはどうしたらいいかをずっと考えていらっしゃった方のようで、私たちがうまく質問をできなくても、今多く存在する休耕地をなんとか生かせないか、地元の神社で昔はやっていたお祭りで地域のつながりを取り戻せないかなど、飯田地区のこれからに生かせる地域資源はなにかを意識したお話をしてくださいました。
おかげさまで、なんだか反則のような気もしましたが、地元学の重要なこと、つまり地域資源は何か、それをどう生かすのかということを私たちも意識して、お話を聞くことができました。
そんなこんなで、それぞれの地域で地元学フィールドワークを終えたグループから国立女性会館に戻って夕食。軽くまとめをして、1日目は終了となりました。
そして、
2日目。午前中に、1日目で行った地元学の成果発表をしました。その成果は、グループごとに異なっていて、同じ小川町なのにここまで見えてくるものが違うのかと、とてもおもしろく感じました。私たちよりももっと山奥の方を歩いたグループ、逆にほとんど歩き回らず、地元の方の昔からのお宅やその周りをじっくり見て、お話を聞いてきたグループ、いろんな話、いろんな地域資源が見えてきて、興味深かったです。
成果発表の後は、昼食を挟み、塾生それぞれの細かい興味関心事に分かれて作ったオプショングループの活動を進めるにあたっての、企画の立て方、チームビルディング講座がさとっちを講師として行われました。いろいろと参考になるテクニックが盛りだくさんでしたが、特にコンセプトシートをつくるということが、個人的には一番なるほどと思いました。これまでは、オプショングループで企画を考えるといっても、とりあえず個人個人が曖昧にやりたいことを挙げて、それを企画にすることくらいしか考えてこなかったので、コンセプトシートでグループ全体としての目的や問題意識の共有をしっかりするようになれば、もっと活動も活発にできるかもしれないという期待を感じました。
そして、チームビルディング講座が終わった後は、全員で女性教育会館内敷地内の芝生へ出てきて、外の気持ちいい風を感じながら、2日間の振り返りをして9月のなりわい創造塾は終了となりました。
今回2日間みっちりと地元学をやりましたが、やはり決して十分な出来ではなく、これで終わらせるのはもったいない気がしました。1日目にお世話になった地元の方々と短い時間ながら出会えたのも何かの縁ですし、また、ここからさらに地元学を深めて地元の方と一緒に何かをやって、いずれは自分のなりわい探しにもつなげていけたらなと思います。
報告者:長畑洋(受講生)大学で学部3年生として社会科学を勉強しつつ、学内の空き地を畑にして野菜を育てています。
自分の食べるものがどこで、誰に、どのように作られているのかもわからず、ただ市場から
供給されるものを盲目的に消費する現代の生き方に疑問を感じているところです。
これから、そういうものとは違う生き方を模索していきたいと思います。